『サヴァイヴの未来の為に・覚醒編4』(メノリ&カオル&ルナ)      帰還後の創作  


 

 

『この島で一番高い場所』・・・・・北の山の山頂は、かつて、この島の全貌を確認する為に、ルナとハワード、メノリが登った場所。

そして、凱旋してからは、シンゴがアダム捜索の為に、チャコと登った場所だ。

 

メノリは、こんな緊迫した状況ながらも、その懐かしい光景に、思わず感嘆のため息をつく。

・・・・・・・やはり、美しいから、だ。

11年経っても、なお、その光景は変わらない。

 

「・・・・・・・・懐かしい、わね。」

 

ポツリ、とルナがメノリを代弁したように言った。

メノリも、素直に頷く。

 

「こんな理由でなければ、な。・・・・・もっと、楽しめたのに。」

「うん・・・・・・・。」

 

雲の上に位置する、北の山の頂上。

あの日のように、雲は薄くて霞みのようにあるだけで、島の全体が全て眼下に見渡せる。

360度、四方は海。

真昼の陽光を跳ね返し、水平線までもキラキラと光が舞う。

視線を動かすと、更に輝やかんばかりのフェアリーレイク。

眩しい大自然は、こんな混乱など、関係ないかのように、以前よりも美しく静かに、そこにあった。

 

いつまでも、眺めていたい・・・・・・・・。

 

『ルナ、メノリ、ドローンの影は?』

 

シャトルのカオルの声で、僅かな癒しの時間は壊された。

我に還って振り向くと、ルナは既にリーダーの顔に戻ってカオルに答えていた。

 

「ううん、いないわ?誰の姿もない。・・・・そっちのセンサーではどう?」

『いや、こちらも反応はない。・・・・・おかしい。もう、正午だ。』

「ポッドの3人が、周囲を偵察に行ってくれてるわ?」

『そうか。・・・・何か、感じるか?ルナ。』

「・・・・・・・いいえ。」

『・・・・・・・そうか。少し、待ってみよう。』

 

空は、こんなにも美しく晴れわたっていて、それでも、標高の高いこの場所の空気は、真夏のこの時期でもヒンヤリとメノリ達を包み込むように、広がっている。

本来なら、髪を真上にかき乱すくらいに風が強いはずなのに、今日は不思議と穏やかだ。

穏やか過ぎて、不気味なくらいに・・・・・耳鳴りがするほどの、静寂。

聞こえてくるのは、ホバークラフトとシャトルの半重力の控えめな機械音だけ。

誰も存在していないかのように、誰もが押し黙り、静かに周囲を伺う。

 

そこへ。

 

・・・・・・・メノリの目の端に、一瞬、白いボディが横切った!

 

「ドローンだ!!」

「!?」

 

上がった声は、周囲の偵察に出ていた、ハワードのものだった。

ポッドを意外と器用に操作して、単発に吐かれるレーザーを巧みにかわしつつ、慌ててホバークラフトのルナ達に向かって叫ぶ。

 

「やっぱり、罠だぁ!!・・・・・カオルッ!!やっちまえ!!」

 

ハワードの後方から次々とドローンが現れてレーザーの焦点を合わせかけたところで、一瞬、早くシャトルから放たれた、迎撃のレーザーがリズミカルに倒していく。(実際、撃ったのはカオルではなく、セーデか照準係だと思うぞ、ハワード。)

煙を吐きながら、撃たれたドローンは、糸が切れたように動きを止めて、下界へ向かって真っ直ぐに落下していった。

 

「いいぞぉ!!」

 

拳を振り上げて狂喜するハワードの横に、ベルの操るポッドが猛スピードで駆けつけてきた。

 

「ダメだ!!カオル!攻撃を止めてくれ!!」

「!?何を言っている!?ベル!」

 

シャトルに通じる通信機に叫んでいるベルを認めて、メノリもベルに叫ぶ。

今、攻撃を止めたら、我々はドローンに蜂の巣にされてしまうぞ!?

そこへ、いきなり、グン!とホバークラフトが旋回して動き出した。

 

「そうよ!セーデさん!もう少し前へ出て!・・・・・あっっ!!」

 

ルナの扇動で視点を変えたホバークラフト。ベルが指し示す先を覗き込んだメノリは息を呑んだ。

 

煙っ・・・・・・・!!

 

集結した山頂から、少し下った位置に、周囲を取り囲むようにドローンの輪が広がっていた。

城壁のように何重にも連なったドローン群が、一斉に下界に照準を合わせている。

しかし、そこから放たれたもの、は、レーザーではなく。

・・・・・・炎。

 

「やめてぇぇぇ〜〜〜!!!!」

 

ルナの涙混じりの絶叫が響いた。

静寂の中にゴオッ!!と身震いするような音を立てて、真下に広がる森を舐めるように炎が走っていく。

飛び立つ鳥達、いななく動物達の悲鳴。真っ黒な煙の中に、赤々と燃え上がる森の木々達。

静かに美しいまま、そこにあった豊かな自然が、一気に失われていく!!

 

このままでは!!

 

「カオル!この光景が見えていないのか!?攻撃をやめろ!この島が燃えてしまう!!」

 

目の前の無残な光景から目を離せずに、メノリは通信機に向かって叫ぶ。

ルナは既に、泣きながら崩れるように座り込んでいて、シャアラが駆け寄っていった。

やがて、通信機から珍しくカオルの切羽詰まった声。

 

『確かに見えている!!だが、今、止めればお前達に危険が・・・・・・・!』

「この大火事を消す力が我々にあると思うのか!?ドローンを全部片付ける前に、炎にまかれるぞ!」

そこへ、チャコの声も飛ぶ。

『ルナ、メノリ!オーディアはおらんのか!?アイツはウチらをどこからか見とるはずなんやで!?アイツを見つけんことには、こっちも動きが取れへん!』

「あ・・・・ああ!!」

しかし、山頂など、特に広い場所でもない。

人一人、潜む場所だって、そうそうない。

ポッド組のハワードやベル、シンゴも、辺りをキョロキョロと見回すが、オーディアらしき影はなかった。

そんな僅かな間にも、ドローン群は、連なって炎を吐き続ける。

 

「お〜い!!ど〜すんだよ!!・・・・アッチィ!!」

 

火の粉が飛んできて、ハワードのポッドがグラグラしている。

シンゴも青い顔をしたまま、動きがとれずに。

ベルが指示を待つように、メノリ達を振り返ったところで。

 

「き、危険です!皆さん!!とにかく避難をっ・・・・・!!」

ローガの声を掻き消すように、カオルの声が響いた。

 

『ルナッ・・・・・!!シールドを張れ!!』

 

!?

 

泣き崩れていたルナが、ハッと顔を上げるのを見た。

 

「いやっ・・・・・・!」

『ルナ!!』

「ダメッ!!今、力を使ったら、カオル、あなたがっ・・・・!」

『俺はいいっ!』

「ダメよっ・・・・・・!わかるのっ・・・・・!今のあなたの体調で、この力が『負』に影響したらっ・・・・!」

『・・・・・っ!!今、使わないでいつ使う!お前は何の為にそこにいたんだ!!』

「わかってる!!・・・・・・でもっ・・・・・!」

 

2人の押し問答を、周囲が息を詰めて見つめる中、メノリは、しばらく冷静に見返していた。

チラリとホバークラフトの隅に座るラドに目をやる。

彼も、そんな2人の様子に、ジッと耳を傾けていた。

 

驚くことに、この異常な事態の中。

・・・・・・・目を閉じている。

まるで、もう、自分の出番など二度とない、と見せ付けるよう、に。

 

そうか。

 

「・・・・・・ルナッ!!」

 

涙を風に飛ばしながら、潤んだ瞳でメノリを振り返るルナに、あえて、強い口調で言い渡す。

 

「やれっ!!ナノマシン・シールドを張れ!!この島を、守れ!!この自然を守るんだ!!」

「メノリッ・・・・・!」

「信じろ!!『全てはお前次第』。お前は、自分の力を信じて存分にやれ!!・・・・お前が救おうと願えば、全て救われる!だから、カオルも大丈夫だ!・・・・・・行けっ!」

 

大きく。・・・・・青い瞳を見開いて。

それでも、決意を込めて。ルナはゆっくりと頷く。

それを見た、シャアラが頷いて・・・・・ハワードとベルが顔を見合わせ、頷き、シンゴもニヤリと笑って頷く。

その仲間達の視線に守られて、ルナは、静かな瞳で、なおも炎を吐き続けるドローン群を見下ろした。

 

そして。

 

「・・・・・・・カオル、いい?目を閉じて。」

『ああ。』

 

通信機の向こうから響く声にも、凛とした光。

・・・・・・・きっと、シャトルの中にいるカオルも今、目の前のルナと同じように、祈るような顔つきで目を閉じている。

 

「シールドを張るわ。・・・・・・・私達を守る為、と。・・・・・この島の緑や動物達を守る為!!」

 

 

グン!!と。

光が一気にルナの身体から立ち昇った。

金色!!

その金の光は、遥か上空まで上り詰めてから輪が広がるように、メノリ達を包み込み下りてきた。

 

「うわ・・・・・・・・・・!」

 

シンゴが感嘆の声を上げる。

驚いて見とれている間に、金の球体となって黒煙混じりの外気から守られるように遮断される。

 

「すごいわ・・・・・!眩しいっ・・・・・!!」

 

シャアラが目を細めて、隣りに立つルナにしがみ付く。それが合図となったかのように、ルナはなおも首をそらせて天を仰いだ。

 

「おいっ・・・・・・!見ろよ!スゴイぜっ!!」

 

すぐ近くにあった金のヴェールに目を丸くして手を絡めていたハワードが球体の外を指差した。

メノリが覗くと・・・・・金の霧の向こうに、もう一つ球体の外壁が見える。

 

2重にナノマシン・シールドを張っているんだ!!

 

内側のシールドは、自分と仲間達を守る為、外側のシールドは、下界に広がる、島の自然を守る為。

炎を吐いていたドローン群は、急に下界に攻撃が届かなくなって困惑しているようだ。

霧のように見えるシールドは、炎さえも容易く跳ね返していた。

奇跡、だ!!

やはり、ルナの力は奇跡の力なのだ!!

 

しかし、そこへ、この幻想的な光景を掻き消すかのように。

 

『カ・・・・カオルッ・・・・・・・・・!』

「!!」「!?」

 

ルナの瞳が、通信機から漏れてきたチャコの声に反応して、カッと開いた。

途端に、一瞬、金のヴェールの力が凪ぐ。

ユラリと揺れ動いた霧を見上げながら、メノリが一番先に、通信機に噛り付いた。

 

「どうした!?」

『ああ、いや、カオルが・・・・・・ああぁっ!?』

「?」

 

ブッチン!!

かなり、はっきりと聞こえた。

・・・・・・・・・・・アイツ、自分で、回線を切ったな・・・・・・・・・・・。

 

青い顔で固まるルナに、貼り付けた笑顔で、メノリは振り返る。

 

「だ、大丈夫だ、ルナ!!自分で通信を切れるくらいなんだから・・・・・・。・・・・・・・っ!?」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・その時だった。

 

 

 

ルナの背後に・・・・・・太陽を背にした、ホバークラフト!!

そこに、一人、佇むシルエット・・・・・・・・・・・・・・。

 

「ルナ!!オーディアだ!!」

 

 

メノリの叫びと同時に。

 

オーディアの構えたフェーザーガンの先が、陽の光を弾いて輝いた。

 

______________________

 

 

『全ては、ルナ次第。』

 

この、命は、お前と共にある、から。

 

信じている・・・・・・・・・・信じろ!!怖れるな!!お前の力、を!!

 

______________________

 

『お前が救おうと願えば、全て救われる!だから、カオルも大丈夫だ!・・・・・・行けっ!』

 

通信機から、メノリのよく透る声がはっきりと聞こえた。

迷うルナに、メノリの強い心が背中を押す。

こんな時、自分にはない、彼女の女性らしく凛とした導く力に驚きを覚える。

 

『カオル、いい?目を閉じて。』

 

だから、迷わず、イエスと答えた。

わかるのだ。

・・・・・・・・今、ルナの心に、この身体の中のナノマシンが反応している。

熱く。

 

 

「・・・・・・ええんか?カオル。」

 

隣りで、心配気な表情で、チャコが見つめてくるが。

自分でも驚くほどに、自然と笑みがこぼれる。

 

「・・・・・・ああ。」

「でも、アンタの身体は・・・・・」

「後は、ルナの心次第、だ。」

「せやけど、もうちょっと体力が回復してから・・・・」

「それでは、遅い。」

 

立ち上がって、モニターに写る、ルナの天を仰ぐ横顔を確かめてから。

 

目を。

閉じる。

 

!!!

 

アツイ・・・・・・・!!

 

一瞬で、身体中が燃え上がるように熱気を帯びる。

全身の血が逆流する、とはこのこと、だ。

上下左右の方向感覚がなくなって、バランスを崩しそうになるのを、両手両足に力を込めて、懸命にこらえる。

 

行け・・・・・・!迷うな、ルナ!!

 

怖れるな!!

 

俺の中の、『導く者』のナノマシンよ、『選ばれし者』として力を発揮するのは、今、だ!!

 

今こそ、奇跡よ、起これ!!

 

「カ・・・・カオルッ・・・・・・・・・!」

 

呼吸が苦しくなって、片手で胸元を掴んだ拍子に崩れて、前面にあった操作パネルの上に片肘を付いた。

チャコの気遣う声が耳に届く。

だが、顔を上げる余裕がなくて、付いた片手の拳を固く握り締めた。

 

「カ、カオル様っ!!」

 

セーデまで駆け寄ってくる気配を感じたので、ルナ達を刺激しないよう、咄嗟に通信回線を切断する。

 

「カオル様!?何をっ・・・・!」

「せや!何すんのや、カオル!」

「・・・・・・触るなっ!」

「何やてぇ!?」

 

チャコが逆上して向かってくるが。

・・・・全く、相手にしている余裕がない。

 

「近づくな・・・・・・!俺は・・・・いいっ!!オーディアが・・・近くにいるはずだ。そっちに意識を集中しろ!今・・・・アイツは・・・・この光景・・・・を・・・・・」

 

霞む視界でメインモニターを見上げる。

先刻、自分で音声回線を切ってしまったから、音のない映像だけが目に届く。

その光景を見て。

 

一瞬、意識がはっきりとした。

 

 

「・・・・・・・っ!!ルナッ!!」

 

 

多分、ルナの目の前にいたメノリと、その存在に気が付くのは、ほぼ同時だったに違いない。

 

ルナの背後で、いつかのように、真っ直ぐにフェーザーガンの狙いを定めているオーディアの姿を見た時は。

 

・・・・・・・・・・・・・・・全ての時が止まったような感覚に陥った。

 

 

 

 

「ルナァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

 

______________________

 

「ルナ!!オーディアだ!!」

「!?」

 

振り向こうとした時には、もう、遅い、と自分で悟った。

背後にある気配が、既に一度、感じたものであったからだ。

 

これは、まぎれもなく。・・・・・・・・・・・・・殺意!!

 

「・・・・・・・・・・・・っ!!」

 

覚悟、は、声、にならず。

こみ上げてきた涙を、呑み込んで。

 

 

 

祈る。

 

 

 

「ルナ!」「ルナァ〜!!」「ルナッ!!」「ルナ!!」「ルナァ!」

「!?」

 

重なるように飛んだ声たちに、一瞬、意識を戻されて目を見開くと。

抱きつくように自分を庇うシャアラとメノリ。そして、オーディアとの間を遮るように飛び込んできたのは、ポッドに乗ったベル、ハワード、シンゴ!!

 

「・・・・・・!!みんなっ・・・・・!!」

 

そこへ、ホバークラフトの操縦桿を握ったローガが続いて叫ぶ。

「皆さん!!掴まって!!」

狭い金の球体の中を急旋回して、オーディアの狙いを混乱させる。

瞬間、フェーザーガンの照準が迷ったように動いた。

 

 

今だ!!

 

 

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カオル!!)

 

ギュッ!と両手を絡ませて、額に持ってくる。

祈りの姿勢。・・・・・・・・・・でも、これは、未来への覚醒の証!!

 

(ルナ・・・・・・・・・・・・・?)

 

体内通信。

聞こえる?私の声が、聞こえる?カオル。

 

大丈夫。

 

私の鼓動を聞いて。・・・・・・・・・・・・感じて。

 

今、再び、あの時のように。

 

私達は、一つになる。

 

(ああ・・・・・・・・・・・わかる。)

 

そう。

 

 

 

わかる。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・チカラ、ヨ、メザメロ!!

 

 

 

 

「ルナッ!!」

「!!」

 

メノリの叫び声が聞こえたのと同時に、辺りを白い閃光が散った。

・・・・・それが、オーディアの放ったフェーザーガンの一撃を金のシールドが脅威の力でその内部に吸収したのだ、と気付くまで、かなり時間が要った。

 

          

眩しさに目を細めて・・・・・・・・・・・。

 

 

白。

 

白い、光の中に。

 

人影。

 

オーディア?・・・・・・・・・・違う。あれ、は・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・アダム?」

「ルナッ!!伏せろっ!!」

「えっ!?」

 

白い光に、目がチカチカしている最中、ガシリ!と手首を掴まれて、引っ張られた。

訳がわからないまま、気が付くと、ベルの操る移動ポッドに半分ぶら下がるように、引っ掛かっていて、さっきまで乗っていたホバークラフトがスローモーションのように、アッと言う間に逆さまになって転がり落ちていくのを目にして、息を呑む。

 

みんな!!

 

「大丈夫、ルナ。・・・・・・・・見てごらん。」

 

ベルの強い腕に支えられて見上げると、メノリはハワードが救い上げていて、シャアラはラドとローガに抱えられながら、シンゴのポッドに助けられた直後だった。

元々、1〜2人が定員のポッドは重量オーバーでグラグラしていたが。

とりあえず、他メンバーの無事を確認して息をつき、改めて周囲を見渡してギョッとした。

 

金のヴェール・・・・ナノマシン・シールドが弾け飛んでいる!!

オーディアの放ったフェーザーガンの攻撃を、一度は吸収したが、その強力な力は、二度目は吸収しきれなかったようだ。

 

周囲の空気は、下界の山火事の煙の中に、僅かに、金の余韻を残しただけで、気配は消え去っていた。

 

・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・カオル!!

 

頭に浮かんだ、その名に青くなって、ベルの装着していた通信用のレシーバーを奪い取って叫んだ。

 

「カオル!カオルッ!?・・・・・・・チャコ!セーデさん!?カオルは?カオルは大丈夫!?」

 

すぐに返事がなくて、ベルと2人、硬い表情で見合わせてから再び、叫ぼうとして。

 

『・・・・・・・・・・・・ルナッ!真下、だ!!』

「・・・・・・・・え??」

 

・・・・・・・・・あっさりと、心配した本人の声が聞こえてきて拍子抜けした。

 

「カオル!?ねぇ、大丈夫なの!?」

『俺のことはいい、と言っただろう!』

「あのねぇ!!」

 

頭にきたぁ〜〜〜!!

 

『それより、ルナ!!』

 

なにが、それより、よ!?

 

『オーディアが消えた!!』

「!?」

 

この力が直接影響するはずの、ダンナを心配し過ぎて、一瞬、恐怖の敵のことが頭が飛んでいたのに気付いて、ルナはハッと辺りを見回した。

消えた!?あんなにいたドローン達まで!!

でも。

確かにいないっ!!

 

「カオル?さっき、『真下』って言ったけど、それって・・・・・!」

『アダムだ!!・・・・・・・アダムを見た。アダムは、この山の真下に消えていったんだ!』

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・!?

 

カオルも見た!?

じゃあ。

さっき、光の中に見た、人影、は。

 

「この山の下・・・・・・・・・・・!?」

『・・・・・・・・・・・・・ああ。』

 

通信機の向こう。

カオルの緊迫した、声。

息を呑んで、やり取りを見つめる仲間達。(ハワードは、メノリにしがみ付いていたけど。)

 

『この山の下。俺達が今、いる場所の地下深く。・・・・・・・・アダムはいる。』

 

この。

・・・・・・・・・・・・島の地下・深くに。

 

 

 

 

「・・・・・・オーディアも、そこへ行ったのね。」

 

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ココマデ、コイ。

 

カクセイ、シタ、ソノ、チカラ、デ。

 

ココマデ、コイ・・・・・・・・・・・・・。

 

ワタシ、ヲ。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワタシ、ヲ、ミツケテ、ミロ!!

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・続く。

2007.5.1

 


eriy

お気づきの方も多いと思われますが、eriyはよく、セリフにアニメ本編をリンクさせたりすることが多いです。カオルの「ルナァ〜〜〜〜〜!!」・・・・・もそうですね。最初で最後のカオルの雄叫びは、新鮮でございました。DVDは何十回も見てるので、なんとなく「あれ?このセリフ覚えがあるな」というのも多いと思います。それを探してみるのもまた楽しいでしょう♪
やっぱり、おいしいところを持っていきがちなルナなのですが、アニメでは最後一人で戦ったルナに、この話では「味方を付けてあげよう!」とずっと思ってました。カオルももちろんそうですけど、他メンバー全員でルナを庇う、このシーンが好きです。

2007.8.30

 

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